一人暮らしはもう許さない

一人暮らしをしたくてしょうがない私は、やっとの思いで実現させたが、そこには今まで味わった事のないものもあった。やってみなければ得られなかった一人暮らしの体験は、結果的には素晴らしいものになる。

「ただいま〜」懐かしい風景、懐かしい匂い。みんなが居間に揃っていた。テーブルには私の大好きな唐揚げや肉じゃが。母さんがわざわざ用意してくれたと思うと嬉しかった。みんながニコニコして微笑んでいる。「なんだっ!その格好は!」父さんの一言で凍りつく。そう言うと思った。「別に大人なんだしいいじゃん!」初めての口答え。私の手は少し震えていた。「そんな軽々しい格好をする為に家を出たのか!一人暮らしはもう許さない」父さんも少し唇が震えていた。私の言葉が予想外だったのだろう。

一人暮らしで寂しくなる

私はそのまま家を出て、駅に向かった。いちいち干渉される為に帰って来たんじゃない。一人暮らしがそんなにいけないの?久しぶりに帰ったのだから、もっと歓迎してくれてもいいのに。涙がどんどん出てきて止まらない。携帯が鳴って見ると悟君からのメールだった。「こんばんは〜おぼえてる?今何してる?」タイミング良すぎ〜!急いで電話をし、状況を話した。彼は心配して駅まで迎えに来てくれる。もっと好きになった。もう自分のモノの様な気がしてたまらなかった。早く会いたいな・・・。

一人暮らしだとついつい油断する

駅に着くと彼は改札の向こう側に立っていた。「おかえり〜」その一言で救われた。「雅美ちゃん、一人暮らしって大変でしょ?もし良かったら家に来ない?」それってどういう意味なの?返事に困った。「うそだよ」悟君は笑顔で言った。例え嘘でも、もう気持ちは抑えられなかった。「今日はもう遅いからまた今度連絡するよ」アパートまで送ってくれると、彼は帰って行った。恋愛経験ゼロの私はどうしたらいいのか何も手につかなくなり、速攻で二人に連絡した。

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