一人暮らしをしたくてしょうがない

一人暮らしをしたくてしょうがない私は、やっとの思いで実現させたが、そこには今まで味わった事のないものもあった。やってみなければ得られなかった一人暮らしの体験は、結果的には素晴らしいものになる。

厳格な家庭で育った私はいつも頭の中で、早く大人になりたいと思っていた。一人暮らしをしたくてしょうがなかったから。長女だからといつも下の子の手本にされ、門限までには必ず帰らないといけない。外泊なんて無理。いつも監視されている気がして、自由に遊んでいる友達が羨ましかった。なんでこんな家に生まれてきてしまったのだろう。いつも最後にはそこに辿り着く。学校を卒業したら家を出て絶対に親から干渉されない生活を送るんだ。

一人暮らしは親に反対される

その日が遂にやってきたのだ。県外での就職が決まり、念願の一人暮らしの部屋探しを始められる。親は勿論反対したけれど、ずっと言い続けてなんとか許してもらった。とにかく考えるだけでワクワクしてしまう。「雅美ねえちゃ〜ん。休みになったら帰って来てね」二人の妹はしょんぼりしていた。「何かあったら必ず電話するんだよ」お母さんは不安そうな顔。お父さんは何も言わず、ただじっと見ているだけ。「じゃあ、みんな元気でね。頑張ってくるから」駅まで友達が車で乗せて行ってくれた。

一人暮らしがついに始まる

いざ一人になると一気に寂しさが押し寄せてきた。本当にこれでいいのか?私の人生、間違ってない?誰か答えてくれないかな?今までの事を思い出すと親のありがたさ、妹達との楽しさ、気付かなかったモノがどんどん蘇ってくる。でも念願の一人暮らしは譲れない!気持ちがあっちへ行ったりこっちへ来たり、頭がグルグルしていた。新しい土地は何度か下見に来ていたので迷う事無く無事到着。ドアを開けると、積まれたダンボールがいっぱいあり気合が入る。

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